大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和59年(う)64号 判決

論旨は要するに,原判示第1の事実につき原審相被告人田保伸一のけん銃から発射された5発の弾丸による建物の破損は,その程度が軽微であって,刑法260条にいう「損壊」に当たらないのに,これを積極に解した原判決は,法令の解釈,適用を誤つたものであり,これが判決に影響を及ぼすことが明らかである,というのである。

そこで所論にかんがみ記録を調査して検討するに,原判決挙示の関係各証拠,とくに司法警察員作成の検証調書によれば,本件けん銃の弾丸5発は原判示藪中組事務所2階正面の外壁及び内壁を貫通して隣室6畳間との間仕切りの壁や柱等に射入されるなど,その状況ないし程度は,右検証調書添付の写真を観察すれば明らかなとおり,建物の効用を害したものと認められ,右けん銃実包5発の発射行為は本件建造物損壊の一部というに欠けるところはないものというべきである。したがって被告人らの原判示第1の所為がけん銃実包5発の発射を含めて建造物損壊罪に該当するとした原判決に法令の解釈,適用の誤りはなんら存しない。

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